私は小学校でクラス全員の前で見せしめの往復ビンタを食らったことがあります。理由は他愛もないことですが、私は今でもあのビンタには納得しておりません。
ビンタの理由は給食でした。通常は先生が着席して全員でいただきますということになっていましたが、あの日だけは先生が待てども待てども来なかったのです。次の授業のことを考えるともはや止むを得ないと思って「もう食べよう」とみんなを誘いました。ところがそこに運悪く先生が現われたのです。
誰が食べていいと言ったということになり、私が起立してボクが言ったと答えたら、結局は往復ビンタの制裁になりました。いまならば大騒ぎになるところでしょう。私としては至極不満で「コンチクショウ」と口惜しかった感覚がいまだに残っています。
しかし、あの忌々しい出来事が反骨心という種を私の心の中に蒔いてくれたのかもしれません。あれから反抗期そして青春時代を経ていくうちにあの芽が着実に育っていったように思われてなりません。