私はアルジェリアの友人に救われたことがあります。パリにいた時に生活に困ってしまっていたら医学部の留学生が大学寮の自分の部屋にかくまってくれました。いわばほとんど見も知らぬ人間を狭い部屋でしばらく生活させてくれました。
そんな環境でも案外あっけらかんとしていたのが私です。東洋人などひとりもいない生活の場にヘンな日本人が突然もぐりで入ってきたのですから厭な目で見られるかと思いきや真逆の結果でした。そしてそんな規則破りも気にしない彼らの心の広さには感心しました。
毎日夕食時になるとみんながテーブルに集まってきて質問攻めします。それに面白おかしく答えるのも楽しかったですが、何よりももぐりの東洋人がもぐりで食事をしていても友情の輪が広まっているというのを実感して幸せでした。貧乏も捨てたものではありません?