私がアメリカで提携交渉に当たっていたときに相手側から提出された契約書案の厚さに驚いたことがあります。
私たちの弁護士にその厚さについて聞いてみるといろいろと仕掛けが挿入されている可能性があると言われました。しかし2cmもある内容をところどころに挿入された落とし穴にハマらずに読破することは絶対に無理であると判断しました。
そこで私は契約書を3分の1の量にしてほしいと提案しました。そして契約書のダイエット作戦に成功しました。こういうずうずうしさが案外アピールしたのか後には相手側の弁護士にも一目置かれているように感じました。
つまり契約交渉では「妥協ぜず臆せずそして締結後のいろいろな事態を想定して細心の注意」を払いながら進むことが大切であると思いました。また出来ないことを恥ずかしがっていてはいけないことも学びました。
とくに相手側が契約完了後にわざと違反行為をして自分たちの対応能力を試してきた場合を想定し、自分たちはどう対処できるのかをしっかりシミュレーションしておくのも大切です。
私たちは契約の締結が完了してホッとしてしまいがちですが、それは大きな思い違いです。タフな相手ならば契約書で縛り付けておいてどう優位に立てるか必ず次の一手を考えています。契約は完了したから相手は必ず約束を守るなどとはゆめゆめ考えないことです。
結婚に契約書はありません。善意の行為に契約書がないことからしてもこの話には納得できるはずです。