私たちは日常生活において言葉で困ることはありません。私はこの言語力を会話力と言っております。ところが少し理屈っぽい内容の書物を読むと一回では歯が立たないことがあります。これを語学力と言うことにしています。
私はドイツ語を本格的に学んだのは23歳の頃です。またフランス語を始めたのは27歳を過ぎていました。ですから日常の会話力はネイティブのようには上手にいきません。ただ両方とも不自由することはありません。こうしてみると会話力の獲得には若いほど有利であると考えています。
さて問題となるのは語学力です。これはうまく説明できる自信はありません。ただ私の興味深い経験をふたつお話しします。
ドイツ語の期末試験を受けたとき会話力はエクサレントとはいきませんでした。ところが試験官の先生が筆記試験の得点を見て驚いた表情を見せました。高い得点が信じられないというわけです。(失礼な!?)
今度はフランス語の教室での体験です。小テストの得点が口頭でみんなに伝えられるとあるアラブ系の学生に私は名指しで非難されました。彼女が言うには会話は私よりずっとうまいのに自分より得点が高いのは納得できないという強い抗議の発言でした。(よく言うわ!ったく。)
こうしてみると会話力と語学力の関係性は乏しいようです。会話力は日常生活の中でマスターできますが語学力となると難しい問題です。