厳しい言い方かもしれませんが基本的にはお父さんはお母さんになれない。そしてその逆も然りです。つまりお父さんは父親であり、お母さんも母親でしかないと思うのです。
実際にお父さんは子どもは産めません。タツノオトシゴではありませんから、お母さんは父親にお産を代わってもらうことは絶対にできません。しかし、この論理は生物学的な話に限ってのものであり、親権のことになると少し様相を異にします。
国連に子どもの権利条約というものがあります。日本はこの条約の加盟国ですので親権についての条文が適用されます。この条約を読むと親権は相対的なものになった感があります。つまり血縁による垂直な親子関係というのは絶対的でなくなったといえそうです。
子どもにとって例えば虐待の事実などが確認されれば産みの親であっても親権はなくなり、他に移譲されてしまいます。これまでは親子関係は家族の枠組みの中でしか考えられなかったのに、今日では社会の枠組みの中で相対的な関係に練り直されたのです。
こうしてみるとお父さんやお母さんが家族の一員としては欠けていても家族の枠外にいてくれればいいと考えることもできます。そして今やそういう時代になったのだということを私たちは認識しなければなりません。
お父さん役やお母さん役はやっぱりひとりで完璧には務まりません。ですからボランティアお父さん、ボランティアお母さんがサンタさんのように来てくれてもいい時代がすでにやってきています。何とかNPOを立ち上げましょう。