公平な社会を保持するためには階層間の流動性にも配慮したいものです。お金持ちはずっとお金持ちで、貧乏な人はいつまでも貧乏で這い上がる余地のない社会では、圧倒的に多数派の貧困層の上昇意欲がそがれてしまいかねません。
アメリカなどの大学では社会で不利な立場にあるマイノリティー出身の人たちなどに一定の入学定員枠を優先的に準備していることがあります。これは確かに入学者の選別に必要な公明正大さを人為的に阻害していると考える人たちもいるでしょう。
しかしこの優先枠には個々に見れば個人的な入学試験にも社会にとっては総体的な影響を及ぼしていると見る積極的な姿勢が感じられます。
このように弱者に配慮した社会的行為をアファーマティブアクションといいます。社会の公平性保持のためのひとつの考え方といえます。