パリにはまだ至る所に石畳が残っているはずです。私は人気のない狭い石畳の街角に革靴のコツコツ音がこだますのを聞くのが大好きです。
さて石畳の道路工事を見たことはありますか。あの工事の極めて前世紀的なやり方を見ているとヨーロッパの悠久な生活の営みが感じられてほのぼのとした気持になります。
さてここで言いたいのは古臭い石畳が最新のアスファルト舗装に勝る超ハイテク舗装であるということです。私たちのようにハイテク至上主義に洗脳されていてはとても理解しかねることでしょう。
あの石畳みの道路工事ではまず10センチ角の敷石の取り剥がしから始まります。そのあと工事箇所を機械で掘り起こすことになります。工事が終了したらまた丁寧に敷石を金槌で叩きながら調整して石畳を復旧します。
つまり石畳の道路工事には残土や剥ぎ取ったアスファルトの残骸は一切出ません。日本のアスファルト舗装のように山ほど産業廃棄物が出るのとは大違いです。美観に良くてエコで環境にも優しい半永久的な耐久性を誇る石畳の効用でした。