テレビ報道はオリンピック讃歌で盛り上がっています。グレイグ リーディ委員長の来日を機にマスコミも一致団結して応援に協力しています。誘致運動に関わる広告会社の後方支援の意味もあるでしょう。
ところでここで注目したいのが報道のバランスです。オリンピック誘致とTPP交渉加入の問題はどちらもクライマックスは今秋に来ます。長い目でみるとTPP問題の方が日本の将来には格段に大きな影響を与えるのは誰の目にも明らかでしょう。ですから重要度でいえば完全にTPP問題に軍配が上がります。
それなのにマスコミのTPP問題の報道の比重が小さいのはなぜでしょうか。私の推測では政府が問題に触れて欲しいか否かによってバランスは決まります。政府と報道機関に密約などはないでしょう。しかし、両者の阿吽の呼吸によって事が進むとしたら当然TPP問題は騒いで欲しくないものになります。
オリンピック誘致は安倍首相が決めることはできません。しかしTPP交渉参加は自分で即決できます。あまり議論が沸騰して首相の腹づもりと違った方向に国民の意見が傾いてはやりにくくなります。ということはしばらくは国民は無邪気にオリンピックで騒いでいてほしいということになります。
まさかオリンピック誘致運動をTPP問題の「眼つぶし」にしようなんて魂胆ではないでしょうね。もしそうならばそれを入れ知恵した人間は相当なワルですね。そういえば安倍首相のアメリカからの帰国と符合するかのようにリーディ委員長の来日となりました。誰かが安倍首相の帰国後にリーディ委員長の来日を都合よく演出したのではないでしょうね。