一昨日あたりからメタンハイドレートでマスコミが賑わってきました。3月17日TBSテレビのサンデーモーニングの報道によれば政府は5年後には採掘技術を確立したいようですが、専門家の意見では10年以上というのが本当のところのようです。
私の3月16日のブログに詳しく書きましたが、海底に伸びたメタンハイドレート採掘用パイプ破損の危険を考えると採掘は第二の原発ともいえます。例えば2010年にメキシコ湾で1500メートルの海底油田掘削作業中に起きた事故は甚大な環境破壊を引き起こしました。
海底のメタンハイドレート層からメタンガスを取り出す技術的な難しさは海底の石油掘削とは比較にならないほど大きなものです。また事故で原油が現場海域を汚染しても全部ではないにしても回収することは可能ですが、メタンの場合は完全に大気中に放出されてしまい回収は不可能です。
万が一にもパイプ破損事故が起きて半永久的に海底から大量のメタン放出が続いたら地球温暖化への影響は甚大なものになるでしょう。そのうえメタンハイドレートは海水温が少し上昇するだけで自然に気体となって放出されるくらい厄介な物質です。
政府は3年くらいで原発の再起動をしたいためにメタンハイドレートを持ちだしてこれが実用化するまでという口実に使いたいのかもしれません。そうすれば風力や太陽光への関心も少しはそらすことができます。今後の動向をしっかりと見守らなくてはなりません。