私はこれまで数種類の放射線測定器を比較使用してみましたが、つくば市にあるシンメトリックス社が開発した i-FKR508が今のところ世界一の性能を有していると考えています。
政府は福島原発事故を起こした国家として放射線測定器を世界中から一堂に集めて性能をきちんと比較してそのデータを公表すべきです。その費用は1億円も掛からないでしょう。こんなことをすればこれまでの放射線測定器はどれもまだ未完成であったことが判明してしまいますが、今後の子どもたちへの放射線の影響を真剣に調査したいなら躊躇していてはなりません。
今日まで健康被害の検証に耐えられる正確な低線量域の数値を提供できる測定器はありませんでした...と考えております。つまり低線量被曝の危険性の有無についてはまず測定値の信頼性に疑問符がつくのですから、その結論について解釈上の混乱が起きるのは当たり前です。
ちなみに公表されている放射線測定値はどの測定器によるものであるかは記載されません。測定器の進歩の影響を考慮すれば過去のデータの比較のためには絶対にこの測定器の機種情報は欠かせないはずです。その機運がないのは業者の事情を考慮してのことなのか研究者の認識不足によるのかは分かりません。
さてi-FKR 508の優秀さはまず役所や大学で採用されているガイガーカウンターのおよそ100倍の感度があることです。通常の測定機では測定不能である 0.05μ㏜/h 周辺域ないしはそれ以下の測定域でも驚くほどの精度と安定性を示してくれます。とにかくこの安定性は1日中測定していても測定者にストレスを感じさせないところがスゴイのです(測定には神経を使って大変なんですよ!)。
またこれまでの放射線測定器は核種を特定する機能がないばかりか、たとえあったとしても低濃度汚染区域においては役立ちません。東京などで飛んできた放射線がセシウムからなのかどうかを確実に特定できるものは私の知る限りではありませんでした。ところが i-FKR508ではバッチリで驚きました。
昨年の世田谷区でホットスポット騒ぎがあり結局は床下に放置されていたラジウムからの放射線が問題であることが数日後に判明したようですが、i-FKR508を使えばその場ですぐに判明したはずです。
このように i-FKR 508のような世界一(私見ですが)の測定器が日本にも登場した以上は政府も本腰を入れて放射線データの標準化を検討してもらいたいところです。