昨日のNHKニューウオッチ9で安倍首相は原発は安価なエネルギー源で確立した安全な技術であると言っていましたが、アナウンサーは黙っていて何も言いませんでした。原発報道にはテレビ局に対して相当な政治的圧力があるなと感じました。
ところでNHKはメタンハイドレートを夢のエネルギー資源としてバラ色報道をしていました。本当にそうなのかここでよく考えてみたいと思います。まずメタンハイドレートという物質は天然ガス成分のメタン分子が水のシャーベットに閉じ込められた状態にあるものです。海底や北極圏周辺の凍土地帯に大量に存在することが確認されています。
メタンハイドレート層は確かに有望な天然ガス田ではあります。ただその絶対的条件は「海底から安全に取り出せること」です。研究者は強い海流が流れる日本近海の海底から安全にメタンを取り出せるとはユメユメ思っていないはずです。
天然ガスの成分であるメタンが大気中に漏れ出しては困るのは地球の温暖化への影響か二酸化炭素の20倍以上もあるからです。メタンは農業や牧畜や天然ガス採掘でも大量に発生します。今日では恐ろしいことに温暖化の影響で凍土が溶け出しています。ここにメタンハイドレートの漏出が大量に加わったら地球環境に壊滅的な影響をもたらします。
強い海流の流れる洋上で海底からメタンハイドレートを採取するのですから事故は必ず起きます。原発と同じです。海底にパイプを突き刺したまでは良かったのですが、そのパイプが海流の圧力でポッキリ折れてしまい怖くなって逃げ出した調査船も実際にはあるようです。
地球の温暖化はある臨界点に到達すると急速に進行するという研究報告があります。私はその原因としては温暖化の進行にって海底や凍土地帯に眠っていたメタンハイドレートが溶け出して一気に大気中に放出されたためではないかと考えています。
不思議なことに放射能もメタンも無味無臭透明という私たちには何も感じられない透明人間のような悪魔的な性質を備えているのは皮肉です。メタンハイドレートはいざ事故となると荒々しい悪魔にもなりかねません。なるべく地中にそのまま目を覚まさずにそっと眠ったままでいてもらいたいものです。