3月5日TBSひるおびである医療ジャーナリストが黄砂が血管内に侵入して脳梗塞を起こす可能性があると健康被害を強調していました。専門家であるならばもう少し丁寧な説明を求めます。受けを狙って荒っぽい発言をするのは一流の科学者としてはいかがなものでしょうか。
言いがかりではありませんがタバコの煙の粒子はいわゆる PM2.5 よりもさらに 1/5 から 1/10 も粒径が小さくて黄砂よりも健康上はずっと有害です。肺はもちろんのこと血中に侵入して心臓血管系にも悪影響を及ぼします。タバコの主流煙や副流煙に非喫煙者が晒されないように分煙が進んでいるのは、その有害性はPM2.5や黄砂どころの比ではないからです。
黄砂の粒径はある研究によれば1μm ~30 μm(マイクロメートル)の範囲にあるようで4μm くらいの粒子が最も多いと言われます。PM2.5 というのは粒径2.5 μm以下の小さな粒子のことを言いますから、黄砂の健康障害はPM 2.5 をもって騒ぎ立てるのは片手落ちです。
黄砂の有害性はもちろん懸念されますが、私たちが日常的にタバコ煙に晒されるレストランや喫茶店など人々が多く集まる場所を禁煙にすることの方がよほど希求の問題です。マスコミの荒っぽい黄砂騒動は極端なことをいうと運動場の砂埃のなかでサッカーに興じる子どもたちにPM2.5 問題を持ち出すのと同じです。
最後に黄砂の話を含めて中国からの大気汚染物質の飛来はもはや両国の共通課題ですから政府間できちっとした話し合いの場をつくり今後の改善に努めてもらいたいです。