教室が大変に騒々しかったので「私は教授だ!静かにしろ!」と怒鳴った先生がいたと聞いてわが耳を疑ったことがあります。教員職はひとつの権威で偉いという単純な発想が私には思いもよらないものであったからです。
教員の評価は人柄とか講義や指導の仕方や内容などによって次第に固まってくるもので役職で自動的に決まるものではありません。教授だから立派だとか助手だから軽いとか役職で教員の重みを決め打ちするのは早計すぎます。そんなことを無理強いしても学生は腹の中ではベロを出しているに違いありません。
ただ最近多くなってきた企業を定年退職して大学教員になった人たちには会社という役職のピラミッド構造の中で過ごしてきた習慣から「私は教授だ!」の感覚が強いのでしょう。そういう意味で企業出身者にとっては教員の権威はピラミッド構造では御しがたい摩訶不思議なものに思われるかもしれません。