私は若者はとにかく自由でなければならないと信じています。大人が若者を杓子定規にありきたりの常識で縛り付けたり既成の道徳律で評価してはならないと思っています。
その証拠に音楽の領域で考えてみると演歌の好きな若者はめったにいません。若者は本能的に演歌の世界の住民にはなれません。なぜならば演歌の描くのは着古された感傷的な世界でしかないからです。
確かに若者も感傷的になりがちです。しかし、それは過去に慰みを探し求めながら自己の運命を嘆く懐古的なものではなくて、未来に置いてきぼりを食うかもしれないという孤独感にさいなまれてのことだと思います。若者の感傷はあくまでも前向きな闘争心のひとつの表現型なのです。
このように考えてみるとロックが若者を引き付けるのも納得でしょう。ロックこそは闘争の音楽です。若者を自由の世界へと解放してくれる爆発的エネルギーに満ち満ちているからです。何十万人もの人たちを一堂に集めることのできるあの底力を持つロックの可能性は無限です。
きっとロックはもっともっと進化していつかシンフォニーを凌駕する時代が来ることでしょう。