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2013年5月30日木曜日

日本を世界の原発技術の最終墓場にしない

 かつてはアメリカ、フランス、ロシアそして日本の3カ国が原発プラントを完全に独自技術で供給する能力を持っておりました。しかし1979年3月28日の米国スリーマイル島原発2号機が炉心溶融事故を起こしてからは情勢が大きく変化し、今日では日本がフランスと世界市場を席巻しています。


 日本とアメリカの原発開発は私企業によって推進されてきたのが特徴です。アメリカではウエスチングハウス社(WH社)が原発の老舗でしたが、2006年に名門の原子力部門は東芝に買収されてグループ入りしました。今日では本来のWH社は放送部門主体のまったく別の企業に変身しています。もうひとつの名門企業GE社の原発部門は日立製作所に買収されて2007年にその傘下となりました。


 そしてフランスの場合にはアレヴァグループが独占企業体として君臨していますが、フランス政府は持ち株会社アレヴァSA社に99%出資しておりほぼ完全な国営です。なかでもグループの中核企業アレヴァNP社は原発力プラントを手掛けていますがドイツの代表的重電メーカージーメンス社も34%の支配力を有しています。アレヴァNP社は日本の三菱重工と提携関係にあります。


 もちろん英国にも原発関連企業の英国核燃料公社がありますが完全に政府出資の国営企業です。この公社は原発運転、売電、核燃料製造、廃炉・解体事業に特化していて原発プラント建設には携わっていません。これは核保有国としてはリスクを最小限にする最も賢いやり方かもしれません。


 このように世界の原発プラント企業にはアメリカの技術を取り込んだ東芝と日立があり、フランスのアレヴァグループが追随して奮闘しているというのが実態です。三菱重工はアレヴァNP社への資本出資を望んでいるようですがフランス政府の反対から不調に終わっています。


 さてこうしてみるとスリーマイル島事故で一逃げたのアメリカの原子力産業を日本が買い取って積極的に動いているというのがハッキリします。そして核関連では独自路線を進むフランスが何とか日本と共同路線を張って原子力発電の斜陽化の流れに抗しようとしているのも理解できます。


 こんな状況からすると原発新設と寿命延長を凍結しているアメリカの今後の出方次第では日本が世界の原発技術の墓場となる可能性があります。もしそれで企業が破綻の危機に陥ったら国がその責任と負担を背負うことになるでしょう。利益は企業が存分に享受しておいて困ったら国が損失を補てんするという構図は福島原発事故だけでもう十分です。


 とにかくまずは福島原発廃炉技術の確立と放射性廃棄物の最終処分場の建設に全力を尽くすべきです。今後5年間以内に答えが出なければ原発はすべて廃止というのが妥当な結論ではないでしょうか。それまではもちろん原発の再稼働や原発の売り込みなどはすべきではないと考えます。