自分が死んでいく姿はまだ想像できませんが、こういう死に方もいいかなと思わせる2編の詩があります。
雨 八木重吉
雨のおとがきこえる
雨がふってゐたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいてゐよう
雨があがるようにしづかに死んでゆこう
黒板 高見 順
病室の窓の
白いカーテンに
午後の陽がさして
教室のようだ
中学生の時分
私の好きだった若い英語教師が
黒板消しでチョークの字を
きれいに消して
リ-ダーを小脇に
午後の陽を肩さきに受けて
じゃ諸君と教室を出て行った
ちょうどあのように
私も人生を去りたい
すべてをさっと消して
じゃ諸君と言って