中国から飛んでくるという大気汚染物質PM2.5の話題がヒートアップしています。こういう大騒ぎの裏には何か中国の大気汚染を持ち出したい別の魂胆がありそうで気になります。
私は九州に電話して早速中国から飛来するPM2.5の実質的影響はどの程度か確認してみました。役所としては分析していないので分からないという正直な回答でした。私はお役人の冷静な対応に尊敬の念を抱きました。ただPM1.0についてはご存じなく初めて聞いたと言われたのが気になりました。
テレビを見ているとスモッグに包まれた北京の大気汚染の様子がたびたび映し出されます。しかしPM2.5は目に見えない極めて微細な微粒子ですから、これだけがどんなに大気中に増加しても実際には目に見えるほど視界が悪くなることはありません。そのうえ北京の大気汚染の深刻さとPM2.5による日本での健康被害との直線的な関係はまだはっきりしていません。
昔、フランスの新聞に日本人がマスクをして銀座を歩いている様子が載っていました。ひどい大気汚染でマスクをしなければ外出できないと解説されていました。フランス人は日本は大丈夫jかと心配してくれたものです。あれは風邪の予防のためで大気汚染のためではないといくら言っても信じてもらえませんでした。
ここにインターネットで調べた東京都杉並区久我山5丁目と八王子市片倉の都の観測データがあります。PM2.5の測定値の単位はμg/㎥ですが数値だけに注目してください。
2013年2月23日一般局日報速報値
杉並区久我山杉並区土木資材置場
最大値30μg/㎥ (17時)
最小値10μg/㎥ (8時)
八王子市片倉市立由井中学校
最大値24μg/㎥ (18時)
最小値 1μg/㎥ (8時)
中国からどのくらいの量のPM2.5が実際に飛来しているのかは観測データを詳細に分析しないとはっきりしたことは言えません。ただ常識的に考えますと足元の道路を走行する車の排ガスの影響の方がよほど大きいものであろうことは都の測定値を見れば想像できると思います。
マスコミには受けを狙って拙速に騒ぎ立てるのではなくて国内事情を含めた冷静な考察に基づく報道を期待します。