私がドイツにいたころはタクシーはベンツと決まっていました。中にはオペルも交じっていた気もしますがベンツしか記憶にありません。
ドイツではベンツとは言わなくてメルツェーデスと言います。私は通訳としてメルツェーデスに乗って日本人賓客にドイツを案内したことがあります。その時に乗ったのがメルツェーデスSクラスでした。
お抱えの運転手は涼しい顔で何時間も時速200㌔を超えんばかりの猛スピードでアウトバーンを走り続けました。助手席に座らされた私はスピードメーターばかりが気になり生きた心地がしませんでした。下り坂では時速220㌔くらいになっていました。
しかしドイツの制限速度なしの高速道路アウトバーンではとんでもない輩がいます。時速200㌔で走行している私たちを軽々と追い越していく車があるのです。真後ろに車の鼻先をこすり付けんばかりにして「邪魔だドケ」と言いたそうに追いかけてくる車もあります。
そんな国の首都ベルリンでタクシーがプリウスになったとはスゴイ。考えられない。改めて世界の潮流を見極めて必要ならどんな変化も厭わない賢明な国民性には敬服します。
ドイツは東西ドイツ統一のためにかかる巨大な経済的負担も無難に乗り切りました。そして国内には反対意見も少なくなかったのにEUに加盟して指導的な役割を演じています。さらに事故を起こした日本にはできなかった脱原発をいち早く決断しました。
戦後のドイツは世界の平和のために立派なリーダーとして着実に貢献してきました。ドイツと同じように国土は目覚ましく復興しても1000兆円の借金を作ってしまったうえに後戻りしようとしている日本とはどうも何かが違う気がします。