私の大学教員生活はあと20日程で終わりです。年寄りがいつまでも残って若い人たちを脇に押しやるのは私の人生観とは違いますので気持はスッキリしています。
しかし一番辛いのは「ネコが死んじゃうよ!」といってみんなに笑われることです。教育機関にそういって笑う人たちがたくさんいることが悲しいです。私は誰も後に続く人がいなければ定年退職後も何とか費用を捻出してキャンパスに通うつもりです。
周囲から時期が来たら割り切らなければならないとも度々忠告されます。しかし目の前の命が消えかかっているものを割り切って切り捨てることはできません。お節介な困った性分です。
この頃は何十年も昔に線路に飛び込んでうずくまってしまった人を助けたときのことが思い出されてなりません。今あの人はどんな人生を歩んでいるのか知る由もありませんが、まさに間一髪の救助に加担した私はお節介なと恨まれているかもしれません。
命は誰かが区切りをつけなくても終わりは自然にやってきます。それまで悔いが残らないようにみんなで助け合いながら待つことが本当の勇気というものではないでしょうか。何か年寄り染みた暗い話になって申し訳ありません。