私は学生時代にある政治家と個人的に会話を交わす機会がたびたびありました。その人はすでに亡くなられましたが、今では北朝鮮が世界平和にとっては大きな脅威であることを思うと、あの頃の会話を思い出さずにはいられません。
その政治家は日本と国交のない北朝鮮に国交の回復を模索するために単独行を敢行しました。多くの同僚の強い反対を押し切っての決意の行動です。事実上は何の成果もありませんでしたがその決断は勇気に満ち溢れていました。
彼は帰国して殺されると覚悟して出発したと言っておりました。なぜ殺されなければならないのか私には理解できませんでした。40年も前のことですが、もし彼の後に続く政治家が幾人か出て両国の国交の回復を模索して会話だけでも続けていたら、ひょっとすると悲劇の拉致問題も今日の恐怖の核問題もなかったかも知れません。
私たちは横並び主義の日本の風土のもとに育つとなかなか単独行に出る勇気は湧きません。しかし日本を背負う政治家となったならば日本や世界の平和のために率先して行動できる人であって欲しいと思います。勇気ある行動なくしては訪れてくる絶好のチャンスに気づいて物にすることは不可能です。
誰も考えたことはないでしょうが実際的には政治家のみなさんは戦争には行かなくていい事になるでしょう。ですから日頃から若者のために平和に身を捧げる強い覚悟を忘れないでください。そういう勇気なくして「戦いに行け」といわれる若者が出ることだけは御免です。政治の貧困の尻拭いを若者たちにさせることにならないようにくれぐれもよろしくお願いします。