3月31日のブログにおいて出生前検査で異常が発見されて中絶を決意した場合、現行の法律では合法的な理由が見つからないことを説明しました。
テレビ報道によりますと母体の健康を著しく害する場合とみなすということに落ち着いたようです。しかしなぜこんなに急いで屁理屈を付けて出生前検査を推進しようとするのか理解に苦しみます。
確かに産科は医学界の斜陽産業になってしまいましたから不妊治療やら出生前検査のような新しい成長分野を強力に推進したいのは分からないわけではありません。しかし人の命を預かる医学界としていわばなりふり構わずに理屈合わせして事を進めようとするのはあまりにも浅まし過ぎやしないでしょうか。
確かに障害者の家族の精神的肉体的負担は過酷なものです。しかし出生前検査を推進する建前として親の負担を持ち出すのは障害者をケアする家族にはとても失礼な話です。
つまり障害が生まれてくるであろう胎児を中絶してしまわなければならないほどに深刻な問題だと考えるならば、なぜ今を苦しむ人たちの支援体制を放置したままにしてきたのかと厳しく問いたいのです。
とにかく出生前検査のために障害を母体の健康を著しく害する場合にあてはめる拡大解釈には承服しかねます。どうしてもやりたいのなら母体保護法の改正と障害者支援体制の強化をしてからにしてください。