キャンパスのノラネコたちの恋の季節はすっかり収まり元通りのテリトリーに分かれて平穏な集団生活が再び始まりました。私がおよそ1年半の期間にネコたちを観察して分かったのは「社会は男によって動き女によって支えられる」ということです。
ネコには恋の季節があってもっとも子どもができやすい時期は冬です。ネコ社会が動き始めるのはオス猫の求愛行動からです。人間は求愛行動を快楽に変えることで非効率な繁殖の季節性を克服しました。ネコには年に数回の恋の季節しか妊娠のチャンスはなくて非効率ですから多胎性で生き延びてきました。
ネコのメスの生殖能力は何年も続きませんから、妊娠確率を高めるためにもオスは本能的に活きの良いメスを求めてテリトリーを越えて求愛行動を開始します。そんな時にはオス猫はみなとても殺気立っていてすぐに喧嘩が始まります。ひょっとすると人間のオスが浮気をして家庭に波風を立てるのも生存競争の名残かも知れません。
とにかくネコたちのギャーギャーニャーニャーの大喧嘩の声が聞こえてきたら、水温む春の訪れを知らせる吉事だと思ってうるさがらずに温かく見守ってやってください。