東京都はまず六本木と渋谷間で都バスの24時間運行を始めたいようです。夜遅くまで仕事や娯楽で都心にとどまることの多い人にとっては朗報かもしれません。
ところで先進国で東京ほど多くの人々が長時間通勤をしている大都市は世界広しといえどもありません。この点でもっとも対極にあるのがドイツでしょう。ドイツにはベルリン、フランクフルト、ミュンヘンそしてハンブルクなど、私たちのよく知る大都市があります。
ドイツの人口統計(2008年)を見てみますと、首都ベルリンが343万人、ハンブルク177万人、ミュンヘン133万人そしてケルン100万人となり、あとはフランクフルトが67万人と続くだけで100万人都市は4市しかありません。東京のサラリーマンには普通の片道1時間半の通勤時間などというのはまずあり得ません。
こうしてみると私たち東京首都圏に住む者は通勤という大きな負担を背負って生きていることになります。安倍首相の推進する国家戦略特区として世界一ビジネスのしやすい都市の実現という標語は魅力的ですが、世界一長時間通勤都市東京で理想的な30分通勤を実現するためにはお金を出す以外にないのでしょうか。
都営バス24時間運行もいいかもしれませんが、住民重視の視点から通勤時間短縮の議論が行政サイドのどこからもまったく湧いてこないのが残念です。