近頃は大学で煩雑な事務処理が増えてきています。これは行政側の影響力が増してきて大学の自由度が減ってきたせいもあるでしょう。それを示す好例が国民の祝日の講義です。
行政の統制強化は大学へのお金の流れの減少に歩調を合わるかのように強まってきた感があります。あまり知られていませんが日本の私立大学には国から多額の補助金が支給されています。このお金は日本私立学校振興・共済事業団(通称私学事業団)を介して各大学に毎年支払われます。
平成22年度の実績では、日本大学103億円、慶応義塾大学と早稲田大学各94億円、東海大学67億円、立命館大学52億円、近畿大学47億円、北里大学38億円などとなっています。日本大学の場合には約7.2万人の大学生・大学院生を擁しているようですから一人当たり15万円相当となります。
私は以前からこのようなひも付き感のある補助金制度を廃止して返済不要の奨学金制度を立ち上げるべきであると考えています。そうすれば行政は補助金を理由に余計な影響力を行使することはできなくなります。返済不要であれば請求事務にかかる膨大な費用も節約できて一石二鳥です。
日本の学部学生・大学院生総数は300万人以下です。その10%に奨学金60万円、さらに10%に30万円、さらに10%に15万円支給するとしても年間補助金総額3300億円にはなりません。日本の学生総数の1/3がこれでこれまで以上に勉強に励むようになればお金のかかる大学の外部評価なども不要になるでしょう。
ゴールデンウイークも大学で講義というせちがらい話を聞いて思ったことです。