4月24日に全国学力テスト(国語と算数・数学)が小六と中三の生徒全員約230万人を対象に実施されました。ただ私立校の参加は半分以下に留まっています。
民主党政権下では約3割の学校抽出方式で実施されていましたが、自民党政権に戻ってまた全員参加型になりました。この全員参加型の実施は複雑骨折した日本の教育を如実に表しています。
最大の疑問点は統計学という極めて重要な科学を信用していないことです。統計学なくして今日の科学は絶対に成り立ちません。それを信用しない人たちが算数や数学の学力テストをするというのは最高の自己矛盾です。
こんな教育関係者がテストの正当性を主張する傲慢さには驚きですが、全員参加のテストを利用して文科省や教育委員会は校長を、そして校長は現場教員を統制しようというのでは教育者としての良心を疑います。
不謹慎かも知れませんが競馬を例に考えてみるとよく分かります。騎手は競走馬に厳しく鞭を入れますが、人間も鞭を入れて追い立てるには競馬場のようなレース場に連れ出さなければなりません。その舞台仕掛けが全国全員対象の学力テストです。
もっと気になるのが教育の指導的立場にある人たちが政権交代の度にあっちへ行ったりこっちに来たりする信念のない腰くだけ状態にあることです。教育者はもっとグローバルに日本の教育を見ていかないと若者は立派に育ちませんよ。