私が職場のパワーハラスメントを直に経験したのは40歳になった時でした。当時の職場にはアメリカやヨーロッパあらの仕事が山ほどあって私が一手に引き受けて踏ん張っておりました。そして望まなくても重要なポジションが次々に舞い込んできてしまいました。
そうなると若造の私のことをよく思わない人たちが出てきて組織内でもめ事が起きるようになりました。私の部下の立場も悪くなってきて説得もむなしくひとりふたりと辞めていきました。とうとうひとりだけが残りましたが、結局はその職員は地下の倉庫室管理に回されてしまいました。
さすがに私は何も知らない最高責任者に辞意を伝えましたが背負っている責任を言われると退職はできませんでした。彼は3年間地下室で頑張り通しました。私にとってもやり切れぬ時期でしたが、これが卑怯なパワハラかと実感した出来事でした。彼にはいまでも大変に申し訳なく思っています。