自由民主党が与党に返り咲いてから株式市場は活況を呈してきており、一般投資家の市場への関心も高まってきているようです。おそらく誰もがこれからの株式市場の動向を注視していると思います。
そこで大胆にもド素人の私がこの先を勝手に予測してみました。当たるか外れるかはまったく分かりませんが、単なる物語だと思って興味本位で読み捨てて絶対に信用しないでください。
私は予想をするために指標になりそうな代表的銘柄を探してみました。そこで目に付いたのが成長著しい(株)ファーストリテイリングつまりユニクロです。ユニクロの純利益は2010年度が前年度比34%増、2011年度こそ減益も、2012年度は32%増、2013年度は予想で21%増となっております。
今後の業績についてはまったく想像がつきません。ですからこれからの株価を占うには何を手がかりにしたらいいか考えてみました。そして注目したのが解散価値と配当金です。
まず解散価値の1株当たりの純資産は3800円(2012年8月)です。株価は昨年の2万円水準から今年は3万円を突破しておりますから解散価値からは現在の株価を合理的に説明できません。
そこで配当金に注目します。ユニクロの配当金は2009年から2012年までは年平均で1株利益の36%相当となっております。2013年度の配当金は年間280円と予想されています。
さて株価3万円で280円の配当金では年間1%の金利にもなりません。たとえば業績が成長期から安定期に入っているNTTドコモは14万円の株価に対して年間6000円の配当金ですから金利で考えますと年間4%を超えております。
こうして考えてみますとユニクロの現在の株価はかなりの高水準にあると思われます。成長性を買っての株価上昇としか説明できそうにありませんが、今後に金利3%相当の配当を実現するには1株利益がこれから3倍にもならねばならずあまり現実味がありません。
現在の高水準の株価を説明するにはかつてのライブドア流の大胆な株式分割の可能性しかないのかもしれません。今ではユニクロ株に投資しようとすれば300万円以上の資金が必要ですから一般投資家は欲しくても買えません。これが30万円さらには馬券並みの3万円で投資できるようになれば、上昇し続ける株価に魅せられて新規投資家が次々に参入してきます。壮大なマネーゲームの始まりです。
ホリエモンのライブドアが取った錬金術の手口がこうした投資家心理を巧妙に利用した株式分割というマネーゲームでした。株式分割の手法は不正まがいの株価操作を産む悪の温床でもあります。そして成長性をアピールし続けなければなりませんから無理なM&Aを繰り返さざるを得ません。それこそがライブドアがまっしぐらに突き進んだ姿でした。
ビジネスの世界で成長性という言葉こそ当てにならないものはありません。このまったく当てにならないながらも麻薬的な魅力のある売り文句を武器に高株価を実現することができるのも、株式市場という摩訶不思議な世界の魅力であり恐ろしさでもあります。
長くなりましたので素人分析の結論になりますが、日本の株式市場はユニクロを指標にして考えますと、総体的にはいいところまできているというこどでしょうか。つまり何か予想外のマイナス材料が出ると神経質な売りが出やすい環境にあるとも考えられます。くれぐれも今後の株式投資には慎重を期するのが賢明かと思われます。