私はロダン(1840~1917)の彫刻作品が大好きです。上野公園にある国立西洋美術館ではロダンの代表作である「考える人」、「カレーの市民」、「地獄の門」、「アダム」そして「イヴ」が無料で鑑賞できます。また一緒に展示されているブールデルの大鋳造「弓をひくヘラクレス」も忘れないでください。
ロダンは1862年に姉を自殺で失って絶望して修道士になりました。弟を深く愛してくれていた姉はロダンの才能を見抜いていて芸術家になるために背中を押してくれた恩人でした。そんな姉の気持に背くように修道院に入ったロダンの胸の内は想像を絶するものがあります。
修道院の師エイマール神父はロダンの天賦の才能に驚愕して、再び芸術家への道を歩むように強く説得し支援までしてくれました。もしエイマール神父に慧眼と勇気がなかったら、彫刻芸術の世界は今日でも置物の域に留まっていたかもしれません。ロダンの人生を知って改めて教師の才能を見抜く力の大切さを認識した次第です。