不景気のもとでは職場はパワーハラスメントの修羅場と化しやすいものです。好況ならば案外気楽にしていられますが、不況下では普通の人には転職は夢のまた夢になります。そんな世間の中でも職場が活気に溢れていて充実した気持で仕事ができればとても幸せなことです。
先日聞いたのはまさにパワーハラスメントの典型例でした。ある組織の長の各種不正をひとりで追及している人がまったく些細な別件を理由に解雇通知を受けたのです。幸いにも、その人はひとりで組合を組織していて団体交渉を申し入れたら、即時に解雇は撤回されたという話です。
日本の組合組織率(推定)は1970年代までは30%を超えていましたが、1980年代に入ると組織率はぐんぐんと低下して今日では18%にも達しません。特に組合運動の旗手であった日本国有鉄道が分割民営化されてからは、つるべ落としを食らったように組合活動のエネルギーは消退していきました。
私は尖鋭的な組合運動は好みませんが、今日のような慣れ合い関係が闊歩する労使関係にも疑問を感じます。日本人の昇給がなくなってきたのも組合活動の不在による影響が大きいのでかもしれません。参考までに国際的には北欧諸国が群を抜いて高くて、日本の3倍以上の組織率50~70%を誇っております。