小室圭さんをシッタベンレイ

ノーと言って金満世界を変えよう

  とうとうコーツIOC副委員長が来日して、これからはオリンピック開催への直接的圧力が強まりそうな気配です。  東京オリンピックが多数の病人も出そうな真夏に開催されるのはビジネスとしての都合からで巨額の放映権料を稼ぐためでもあります。  そんな開催してもお金、中止してもお金の五輪...

2013年7月30日火曜日

たんぱく質摂取 アミノ酸スコアを知らないと騙されますよ

 テレビ番組「主治医が見つかる診療所(7月29日)」の趣旨は、ある研究を参考にすると肉の摂取量を増やすと血中のアルブミン値が増加して肝臓が元気になり長生きするというちょっと安易すぎる話でした。


 この内容を正しく理解するために、たんぱく質は多くの種類のアミノ酸が集まってできていること、人間が利用できるのは数百種類のアミノ酸のうちで20種類しかないことをまず念頭に置いてください。


 例えばコラーゲンもたんぱく質ですから、食べたコラーゲンは消化管で分解されてひとつひとつのアミノ酸として吸収されます。ですからいくらコラーゲンをたくさん食べても直接的には体内のコラーゲンを増やすことにはなりません。


 次に「アミノ酸スコア」という栄養学には重要な概念があります。人間が必要とする20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成ができませんから必須アミノ酸といいます。これらは人間は食物から補給するしかないのですが、困ったことに全体として9種類が一定の割合の混合状態になっていないと利用できません。


 例えて言えば赤白黄色など9色のビーズ製首飾りを大量生産する場合を考えます。一個の首飾りを作るのに各色ごとのビーズの個数は決まっています。ある首飾りは赤色3個、あるものは赤色4個では売り物にならないのと同じで、人間が9種類のアミノ酸を利用するにはそれぞれがいつも同じ割合の混合状態になければならず、使えずに残ったアミノ酸は分解してエネルギーに変換して処分します。


 この9種類のアミノ酸の含有割合の良さを表すのがアミノ酸スコアです。基本的にはスコアが高いほど良質な蛋白源として無駄が出ません。例えば肉や魚や卵はアミノ酸スコアは100、サツマイモ80、ご飯やジャガイモ60、キャベツ50、うどんやパン40です。ご飯だけで考えればアミノ酸スコア50ですから含有されるたんぱく質の半分が利用されずに無駄になるということになります。


 結局は番組の話は調査対象の高齢者の不足していたたんぱく質摂取量が改善した結果だけのことだったのかもしれません。何も知らない人には肉を多く食べるほど血清アルブミン値が高くなりどんどん長生きするような印象を与えかねない内容でした。また本当は番組の主張する肉でなくても魚や卵でもいいことはこれでお分かりでしょう。