日本のプロ野球(日本プロフェッショナル野球組織)ではオーナー会議や実行委員会の執行機関としてコミッショナーが置かれています。
コミッショナーというのは日本野球機構の事務を統率するトップであっていわばプロ野球事業の事務長でしょう。またコミッショナーのもとに配属されている事務員の指揮官でもあります。ですからコミッショナーの仕事はプロ野球事業に関してオーナー会議などの決定や指示や関連事務を忠実に実行することと言えます。
コミッショナーは話題になった統一球問題については何ら決定権を持っていません。知らなかった以上は責任を問われず、辞任問題に発展することはあり得ません。しかし統一球の扱いについてコミッショナーが決定を知らされていなかったことには手続き上は重大な問題です。
つまり統一球変更の決定がコミッショナーの頭上を知らぬ間に飛び越していって実行に移された訳ですから、この件に関して責任者であるべきコミッショナーが完全に無視されたことになります。この点が手続き上は問題なのですが野球協約上はどこに責任があるのかは定めがありません。
ここまでは理屈としてはよく分かります。しかし、最大の疑問は存在を完全無視された感のあるコミッショナーがなぜ怒らなかったかということです。辞表を叩きつけて辞任してもおかしくないほどの重大事件ではありますが、そういう怒りを見せなかったコミッショナーの心には何があったのでしょうか。