まず党派別得票率で定数127議席を配分すると自民46(当選59)、民主19(15)、公明18(23)、共産18(17)、維新10(2)、みんな9(7)となります。自公の得票率以上に大きな獲得議席数は自公連携が各選挙区で威力を発揮したことをうかがわせます。
こうしてみると公明党を抱き込んで離さなかった自民の作戦勝ちでした。つまりこの流れは参議院選挙でも止まらないでしょうが、では民主党は参院選でも惨敗かというとそうでもありません。そこで各選挙区の結果を定数別に分析すると面白い傾向が浮かびあがってきます。
自民党 民主党 公明党 共産党 みんなの党
1人選挙区 7戦全勝 3敗 無し 全敗 1敗
2人選挙区 16戦全勝 10勝6敗 1勝 全敗 4敗
3人選挙区 5戦全勝 1勝4敗 5戦全勝 2勝3敗 2敗4人選挙区 6戦全勝 1勝5敗 5戦全勝 6戦全勝 2勝4敗
5人以上選挙区 8戦全勝 3勝4敗 8戦全勝 8戦全勝 5勝3敗
まず自民党の勝利は公明党の強力な支援の賜物です。特に定数1人区と2人区での公明党のバックアップなくして自民党の全員当選はなかったでしょう。次に目立つのが定数3人以上の選挙区での民主党の取りこぼしの多さと組織力と資金力のある共産党の好成績です。
つまりは今日の民主党が参院選で自民の圧勝を阻止するには例えばみんなの党と連携して共産党並みの運動力を持つしかありません。民主・みんなの連携があったら、都議選でも定数2人区で4~6人、定数3人以上区でも落選した20人のうち9人は当選できたはずです。
つまり都議選でも民主・みんなの連携で最大15人は当選者数を増やせたのです。となると自公の過半数も危ういところでした。参院選までに民主党が本気になって他党との連携模索に出られるか見ものです。