小室圭さんをシッタベンレイ

ノーと言って金満世界を変えよう

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2014年9月24日水曜日

格差社会の教育

 世の中にはすごい女性がいるものです。世界的なリーダー育成を夢見て14億円もの寄付金を集めてインターナショナルスクールを設立してしまったのです。アメリカの超エリート学校並みの授業料+寮費で年間350万円だそうです。学校から奨学金を得たとしてもおよそ200万円の費用になるでしょうから、とても普通のサラリーマン家庭では負担できません。


 少し話の筋から外れて専門的なことになりますが、階級と階層という言葉があります。簡単に言えば階級とは近代の格差社会に使われたもので、階層とは現代社会の格差を意味する用語です。使い分けを分かりやすくするには、かつて学生運動が盛んであった1960年代には階級闘争という言葉が頻繁に使われましたが、今日の階層社会では一般的に階層闘争はないことを思い起こせばいいでしょう。


 さて階層と学力の正の相関関係を指摘する学術論文は少なからずあり、今日では低い階層に埋もれてしまうとどうしてもそこから這い上がれないのが実態です。つまり今日の日本では絶対的な貧困はほぼ克服されているとしても、階層がますます固定化されていくとともに、上下の階層差も拡大しているのが大きな問題だといえるでしょう。このような格差社会を是正していくためには例えば教育は何ができるのでしょうか。


 確かに有能な指導者の育成は一つの定見ではあるでしょうが、これだけ高額の授業料を支払える‘階層’は決まっています。学校が子どもたちに階層というバリアーを超えた自由空間を提供できればいいのですが、実際には私立学校の隆盛に見られるように、そのバリアーは学校ではますます高く厚くなってきています。特定の階層からの子どもたちの純粋培養という現代の呪縛から、このインターナショナルスクールがどこまで解き放たれるか温かく見守りたいと思います。