はっきり言って今日では株式は零細な個人投資家には向きません。インサイダー取引は禁止されていますが、たとえばある会社の業績が予想と違うとなるとその情報の公表日よりかなり前から株価は変化を始めます。
また業績に関する情報の分析は当たる時もあれば外れる時もあります。外れても基本的に経済が右肩上がりに拡大している時代は出した損失を取り返すことも可能でしょうが、今日のように停滞下降期に入ってしまうと情報の読み違いによる損失の発生は致命傷になりかねません。
人間にミスはつきものです。ですから統計学では5%の誤りを前提に検定をしますが、だいたい経済成長率がこの割合を下回るようになってしまったら、私の経験からするともう株式投資は個人には向かないと考えた方がよさそうです。日本の経済成長率が明らかにそうなったのはバブル崩壊と重なる1991年からで、それは今日まで続いています。
若い人たちが経済に関心を持てば経済だけではなくて社会の動きにも自然に目が向くようになりますから、少額の外為投資を始めるのは決して悪くはないと思っています。
株価は場合によっては短期間に十分の一になることも稀ではありませんが、たとえば今後ドルが十分の一になるとか何倍にもなるとかいうことはまず想像できません。何といっても円高局面では日本政府が円安局面ではアメリカ政府が自分たちの通貨の急激な動きを調整してくれる可能性が非常に高いのですから、これほど頼もしいことはありません。
しかし投資というのは何でもほどほどにしておきましょう。ただ自己への投資だけは例外でいくらしてもかまわないでしょう。