今日のグローバル化の時代でも日本の就活場面では案外運動クラブ出身者の健闘が目を引きます。これは我が国の特殊な労働環境と密接な関連がありそうです。
日本はいまだに週40時間労働を規定するILO条約を批准していません。こういう風土ですから被雇用者の長時間労働は当たり前です。さらに東京圏では厳しい住宅事情から片道1時間を超える長時間通勤はなくなりそうな気配はありません。
こんなわけで就職して仕事はまず体力勝負だということに気づかれるでしょう。大学で習ったことはほとんどの職場で有形的には役立ちませんから、入社してみんな横並びでスタートするとまず体力のある運動クラブ出身者が有利な位置につきます。
しかし失礼ながらそれほど勉強はしていない彼らが仕事の業績をあげられるのでしょうか?あげられるのです。その理由を説明しましょう。
運動には体力面とゲーム面の両面があります。特にゲーム面の訓練はビジネスに通じています。ビジネスのリーダー論では勝つことだけが目的の軍隊が好んで研究対象にされます。究極のビジネスは軍隊であるとも考えることができるからです。
余談ですが軍隊を安全にゲーム化したのがアメリカンフットボールです。ですからビジネスの先進国アメリカではアメリカンフットボールが熱狂的に愛されているのも納得できます。日本ではマイナーなスポーツですが、これがメジャーなものになる風土ができてこないと日本はビジネスで世界をリードしていくことは難しいでしょう。
結局、日ごろから運動選手はいろいろな面で試行錯誤を繰り返しながら勝つためのゲーム構成を勉強していることになります。これは期せずして各自のビジネスマインドの醸成につながっています。
このように勝つための訓練を4年間やり遂げる意志の強さと体力があり、ゲーム構成にも比較的長けている運動選手が、日本ではある程度はビジネスで有利であることがお分かりかと思います。