小室圭さんをシッタベンレイ

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2015年5月19日火曜日

芸術と戦争 横山大観と藤田嗣治

 太平洋戦争の荒波を卒なく上手に泳ぎ切ったのが横山大観ならば、要領が悪くて結局は戦争責任をすべて押し付けられてフランスに漂着したのが藤田嗣治でした。悪く言えば、戦争という理不尽な時代を象徴する格言 ‘正直者が馬鹿を見る’ の正直者に当たるのが藤田嗣治でした。


 藤田嗣治は幼少時代からフランスで絵画を学ぶことを夢見ていたため、フランス語や英語の習得に余念がありませんでした。その語学能力が災いしてか、彼の優しい利用されやすい性格からか、従軍画家として戦地に送られてしまいました。藤田の絵筆の筆力は特筆ものだったようで、他の従軍画家の何倍もの数の優れた作品を描き上げました。


 一方で横山大観は戦時中も愛国心をかき立てる富士山をモチーフにして数々の傑作を描き上げ、その名声を不動のものにしました。彼は賢く戦争を潜り抜けて日本画壇の重鎮の座に上り詰めた立身出世の権化のような存在でした。私は横山大観の富士山の名作を見ると、その背後から藤田嗣治の戦争を恨む呻吟の叫びが聞こえてくるような気がしてなりません。