小室圭さんをシッタベンレイ

ノーと言って金満世界を変えよう

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2017年7月3日月曜日

父親の思いがいっぱいこめられた国宝茶碗

 本阿弥光悦は50歳になってから陶芸の世界に入り、楽家との親交のもとで数々の傑作茶碗をうみだしました。光悦の家職は刀剣の鑑定・研磨でしたので、その茶碗では厳しくも巧みなへら使いが見どころになっています。


 国宝茶碗は全部で8碗ありますが、作者がはっきりしているものは光悦の楽茶碗「不二山」だけです。私は実物は見たことがありませんが、その姿をもっとも忠実にありのままに伝えているのは、この茶碗を所有するサンリツ服部美術館編淡交(別冊)愛蔵版(平成10年8月発行)に掲載された写真しかありません。


 この茶碗には愛娘の嫁入り時に託した清貧な生活を頑なに変えようとしない父親の複雑な思いがいっぱいに籠められているはずです。光悦が特別に共箱を作って不二山銘と大虚庵印を自署し、そこに落款印まで押したのは後にも先にもこの時しかありませんでした。


 淡交掲載の不二山の写真を眺めていると、娘に対する父親の切実な気持ちがひしひしと感じられて切なくなります。